仏師・仏像保存修復技師の松尾良仁が心を込めて丹念に制作いたします。

お手元供養
(制作に当たっての背景)
故人をお偲びする方法も近年の生活習慣によって大きく変化してきています。
お墓にお納めしたご遺骨以外に、分骨し尊意をもって故人を偲びお手元に置いて供養したい、その思いをお持ちの方も大勢いらっしゃると思います。
実は私もその一人でした、でも私が理想とした崇敬(尊敬)の念で供養できる舎利容器がなく困っておりました。


そこで、私は長年の仏像制作及び修理の経験、またそれに関係する仏教思想の研究から、仏法に適(叶)った(しかも違和感やいやらしさを感じさせず)分骨供養のための舎利容器の形態を考えていましたが、やはり五輪塔形のものが原理、理論からも理想的であると共に美的、工芸的にもすばらしいものと思います。
分骨供養をお考えの方や現代分骨供養をしておられる方に、私の制作します「分骨用五輪塔」をお薦めすることにしました。



制作にあたって
京都は仏教の中心として栄え、また長い間 都がおかれておりました。
その影響で文化芸術、仏教美術の感覚が培われ、高度な技術と意匠の蓄積がなされています。こうして今や京都の伝統産業は、日本の伝統文化を支える存在として高い地位を占めるに至っています。その培われた技術を元に一刀三礼の真心を込めて制作致しております。

形(姿、容、美)へのこだわり
例えば、仏像の姿形にも時代ごとにいろいろな特長が現れています。それは仏教思想の違い、政治姿勢や施主(注文主)の好み、中央と地方、環境の違い、等々その時々の時代背景によるものです。その時代の中で仏教美術全般にわたって形(姿、容)や色彩などが一番整い、美しいと思われるのが平安後期(藤原貴族の影響が大きいのです)から鎌倉初期(武士社会へと移行)といわれています。それは今日の我々の感性にも大きく影響していて、それを手本として現在の感覚に合った美しさが求められているのです。
従って分骨用五輪塔の制作にあたって何より、 形(姿、容、美)に重点をおき、仏教軌則の考慮と両立したものになることを念頭においています。

材料 及び 制作手順
材料 檜(仏像彫刻用木曽檜材)、漆(生漆、黒漆)、絵具(水干、天然岩絵具)、金箔、金泥等他。
木取り 大きさに合った檜材を上部(火輪より上)と下部(水輪より下)の2材分け木取りします。
彫 刻 先ず下部の容器となる部分を内刳して 上部の蓋になる部分を合わせて作ります。その後少しずつ彫り進め 形を決め、さらに整え仕上げていきます。
素地仕上げ 上部と下部に分けて彫刻した五輪塔は彫刻刀によるわずかな削り面の凹凸でも綺麗な下地が出来ないので面を滑かに整えます。
素地固め ここから下地の段階になります、生漆を素地に十分に何度も吸い込ませ素地を強固にします。
錆付け 砥の粉を水で溶きそれに生漆を加えものを彫刻面に均一にヘラ付け(塗り)します。
地研ぎ及び彩色下地塗り 砥石及び耐水ペーパーで水をつけながら入念に研ぎ、この錆付け地研ぎを面が滑らかに成るまで何度か繰り返し、面を整え仕上げます。その後、彩色の下地色になる白土を塗ります。
彩 色 絵具を各色別に膠で溶き何度も塗り重ね仕上げます。
台座は下地錆び付けの後 黒漆塗とします。
大まかですが以上の様な一貫した手順で制作してまいります。

五輪塔の図と私が制作します五輪塔の大きさ

「五輪塔」に関しましては、こちらをご覧ください。(クリックするとジャンプします。)
私の経歴については、こちらをご覧ください。(クリックするとジャンプします。)

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なにぶんにもこだわりを持った手作りのものですので、お納めさせていただくのにかなり時間がかかりますことをご了承くださいますよう、お願いいたします。
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